日常【短編小説】今日も処方せん通りに 朝八時半。白衣に袖を通すと、気持ちが少しだけ引き締まる。調剤薬局「みなと薬局」の薬剤師・涼子は、開店前の店内を一巡しながら、棚の薬をひとつひとつ確認する。ピッと... 2025.06.27日常
日常【短編小説】きょうのお買い得 木曜日の午前十時。絵理子はお気に入りのエコバッグを肩に、近所のスーパーへと歩き出す。家族が出かけた後の、たった一人の静かな時間。それが、彼女にとっての“小さなご... 2025.06.25日常
日常【短編小説】お昼寝タイム、はじまりました。 午後二時になると、真理のアラームが鳴る。「そろそろ、横になろうかな」在宅勤務になって三か月。毎日続くオンライン会議と、終わらぬ業務の山。慣れないデスクワークに肩は凝り、目はしょぼしょぼ。そんな彼女のささやかな日課が、午後の三十分だけ取る“お昼寝タイム”だった。 2025.06.18日常
日常【短編小説】今日のごはんは、なんにする? 朝の光がレースのカーテンをすり抜け、キッチンにやさしく降り注ぐ。真理は小さく伸びをしながら、炊飯器のふたを開けた。「んー、今日もいい匂い」隣の椅子では、3歳の息子・光が、お気に入りのスプーンをにぎりしめて座っている。 2025.06.10日常
日常【短編小説】月曜日のカレーライス 月曜の夕方、遥の部屋には決まってカレーの香りが漂う。一人暮らしを始めて半年。大学の近くにある、風呂トイレ別・築15年のアパートが、彼の「新しい家」になった。 2025.06.05日常
日常【短編小説】日向の縁側 春休みの初日、ユイは祖母の家の縁側に座っていた。母に「たまには空気の違う場所でのんびりしてきなさい」と言われて、渋々やってきた田舎町。スマホの電波も不安定で、友... 2025.05.15日常
日常【短編小説】カステラ、三時の奇跡 その日、美月はすっかり打ちのめされていた。中学校の中間試験、手応えは最悪。特に数学の答案用紙は、まるで知らない言語が並んでいるかのようだった。足取り重く、いつも... 2025.05.02日常
日常【短編小説】パンとラジオとおばあちゃん まだ外が暗いうちから、小さな町のパン屋「くるみ堂」は動き出す。朝4時。店主のサキはエプロンを締め、オーブンのスイッチを入れながら、古びたラジオのダイヤルを回す。... 2025.04.28日常
日常【短編小説】紅茶とクロスワード 老人ホーム「楓の里」の朝は静かに始まる。食堂の窓から差し込む光が、白いテーブルクロスに淡く影を落とす。佐伯さんはその隅に座り、湯気の立つ紅茶に口をつけながら、新... 2025.04.18日常
日常【短編小説】サンドキャッスルの約束 午後三時、団地の向かいの公園にある砂場。そこに、毎日きっかりの時間に小さな男の子が姿を見せる。名前はユウト、幼稚園の年中組。お気に入りの青いスコップを手に、誰よ... 2025.04.15日常