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【短編小説】うさぎの帰る丘

その夜、町の広場ではお月見イベントが開かれていた。屋台の明かり、すすきの飾り、そしてステージでは子どもたちが詩を朗読していた。小学生の蓮も、家族と一緒に参加して...
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【短編小説】ひろったひとつぶ

ゆうたは、小学三年生。毎朝登校前、近所の公園をぐるりと回ってゴミ拾いをしている。特別な理由があるわけじゃない。ただ、何かを拾ってポケットにしまうのが、気持ちよく...
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【短編小説】あじさいの眠る庭

雨が降ると、涼は決まってあの洋館の前に立つ。街のはずれにひっそり佇む古い建物。今はもう人が住んでおらず、雨の日にだけ庭の門が開いている。理由は誰も知らない。けれ...
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【短編小説】あの坂のむこうがわ

秋の風がやさしく吹く朝、さくら組の子どもたちは、お弁当をリュックに詰めて遠足に出かけた。「はーい、みんな列からはぐれないでねー!」先生の声に、元気な返事が返る。...
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【短編小説】栗の精、こっくりさん

秋の陽射しが斜めに降りそそぐ山道で、少女・結は夢中で栗を拾っていた。祖母の家の裏山。今年も栗の季節がやってきて、毎年恒例の“栗拾い遠足”がはじまる。栗の毬(いが...
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【短編小説】マンホールの王

下水道点検員の和馬は、古い街区の調査任務に就いていた。その日も彼は、指定された老朽化地域のマンホールを開け、重たい蓋を押しのけて地下に降りた。だが、奥へと進むう...
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【短編小説】星砂の子守歌

赤い火星の地下都市〈ヴェルディア〉では、大地の代わりに人工の光が天井を照らし、重力の制御装置が地上の代わりを果たしていた。地上に出られず育つ“地下世代”の子ども...
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【短編小説】こびとの庭

日曜日の午後、風がやさしく撫でる歩道の隅に、ひとつだけ見慣れない小さな花が咲いていた。透き通るような淡紫色と、まるで星の欠片を閉じ込めたような真ん中の光。その花...
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【短編小説】かき氷と風の精

夏休み、晴人は祖父の住む山間の村へやってきた。東京の暑さとは違い、朝の空気は涼しく、蝉の声が遠くの林間から淡く響いている。祖父の家の縁側には古いかき氷機が置かれ...
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【短編小説】葉陰のささやき

理央は、ただ静かな場所が欲しかった。都会の喧騒、上司の叱責、繰り返す残業。ふと目を閉じると、音が押し寄せてくる。電車のアナウンス、人の足音、スマホの通知音。どこ...