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【短編小説】最終承認

その日も、青年コウジは定時に職場へ向かった。オフィスとは名ばかりの、白く無機質な個室。椅子、卓上モニター、そして中央に鎮座する、たった一つの赤いボタン。「最終承認者」
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【短編小説】幸福配送サービス

日曜の朝、窓際のテーブルに置かれていたのは、見覚えのない黒い端末だった。名刺ほどの大きさで、表面にはただひとつ「幸福配送サービス」とだけ書かれている。
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【短編小説】屋上ノイズ

築50年の古いマンション「ミナト荘」。その最上階で、夜な夜な不可解な“音”が鳴るという噂があった。それは、午前2時ちょうどになると屋上から発せられる微弱な電磁ノイズ。近隣住民のテレビやラジオが一瞬だけ乱れ、誰もいない屋上から「ビー…ビー…ピィ……」という不規則な電子音が聞こえる。
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【短編小説】時の郵便屋

春の午後、高校生の奏のもとに、奇妙な手紙が届いた。宛名は自分。差出人不明。封筒は薄く色褪せていて、まるで長い時間を旅してきたようだった。だが、何よりおかしいのは、消印の日付だった。
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【短編小説】銀河夜行フィロソフィア

人生が完全に暗転した夜、カイは幻の列車に出会った。都市の喧騒を離れ、失意のまま歩いた丘の上、旧天文台の廃プラットフォームにそれは突如として現れた。光も音も発しな...
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【短編小説】星間特急アルクトゥルス

地球最後の夜、星間特急「アルクトゥルス」は発車した。腐敗した大気、干上がった海、崩壊した都市――かつて青く輝いた星は、今や滅びの音を立てていた。人々は次々と脱出...
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【短編小説】予言販売機

最初にその機械が見つかったのは、駅前の路地裏だった。赤く塗られた金属の箱。側面には白い文字でこう書かれていた。「予言販売機――100円で、あなたの24時間後を予...
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【短編小説】記憶奉納の社

それは、本来存在しないはずの座標だった。時空警備隊の隊員アキラは、時空の歪みを検知して山奥へ派遣されたはずだったが、目的地の森で突然センサーが狂い、視界が白く染...
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【短編小説】月面マーチ

観光化が進んだ月面都市〈ルナ・シティ〉では、地球からの旅行者が銀色のドーム内で無重力スポーツやクレーター・クルーズを楽しんでいた。その喧騒から遥か離れた場所──...
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【短編小説】時間銀行

「あなたの寿命、買い取ります」その広告が街に溢れたのは、たった数年前のことだった。クロノバンク──“時間”を通貨として扱う新興企業は、医学と金融の境界を越えた。...