日常【短編小説】パンとラジオとおばあちゃん まだ外が暗いうちから、小さな町のパン屋「くるみ堂」は動き出す。朝4時。店主のサキはエプロンを締め、オーブンのスイッチを入れながら、古びたラジオのダイヤルを回す。パチパチと雑音の後、AMラジオの穏やかな声が流れ始める。 2025.04.28日常
ファンタジー【短編小説】夢の王国と時計仕掛けの猫 目を覚ますと、空が足元にあった。ふわふわの雲に囲まれたその場所で、少女・ミリは目をぱちくりとさせた。見上げれば星が昼の空を流れ、足元には白銀の街並みが広がっている。 2025.04.26ファンタジー
SF【短編小説】予言販売機 最初にその機械が見つかったのは、駅前の路地裏だった。赤く塗られた金属の箱。側面には白い文字でこう書かれていた。「予言販売機――100円で、あなたの24時間後を予言します」 2025.04.25SF
恋愛【短編小説】金魚すくいの片想い 夏の夜の空気は、どこか懐かしい匂いがする。浴衣の裾を気にしながら、ユイは祭りの屋台通りを歩いていた。提灯の光、焼きそばの匂い、人のざわめき。それらが入り混じって、心を落ち着かせるどころか、ますます高鳴らせた。 2025.04.23恋愛
SF【短編小説】記憶奉納の社 それは、本来存在しないはずの座標だった。時空警備隊の隊員アキラは、時空の歪みを検知して山奥へ派遣されたはずだったが、目的地の森で突然センサーが狂い、視界が白く染まった。気づくと、彼は深い霧に包まれた山道を歩いていた。 2025.04.22SF
ファンタジー【短編小説】白亜の守護竜 夏休みのある日、少年ハルは博物館の裏山にある発掘現場で、小さな骨の欠片を見つけた。地元の化石発掘イベントに参加していた彼は、他の子どもたちがアンモナイトや貝を掘り出すなか、ひときわ光を帯びた白い骨に目を奪われた。 2025.04.21ファンタジー
ミステリー【短編小説】砂漠に消えた影 昼間の熱気がまだ残る砂の上に、それはあった。調査隊が砂漠の南端に設営したキャンプから少し離れた場所。風の通り道のはずの砂丘に、一直線に伸びる“足跡”が浮かんでいた。左右均等、やや深めのくぼみ。問題は、その足跡が“片道”しか存在しないことだった。 2025.04.19ミステリー
日常【短編小説】紅茶とクロスワード 老人ホーム「楓の里」の朝は静かに始まる。食堂の窓から差し込む光が、白いテーブルクロスに淡く影を落とす。佐伯さんはその隅に座り、湯気の立つ紅茶に口をつけながら、新聞を広げるのが日課だった。 2025.04.18日常
ドラマ【短編小説】ネオンの隙間で 夜の帳が下りるころ、アユミはネオンに照らされたビルの地下へと降りていく。そこは繁華街の片隅にある小さなバー「ラピス」。カウンター越しに、笑顔を貼りつける仕事を始めてもう五年になる。 2025.04.17ドラマ